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ビールとテクノロジーと、あと何か。

iPhoneにロックインされたものかどうか

iPhone SDK 4.0が登場したはいいのですが、例によって例のごとく、Appleから尊師のお言葉(訳:例のアレな態度)を賜っております。在家信者としてはどうしてもひとこと言わざるを得ず。

 以下は、iPhone SDKの一部分。今回4.0の登場にともなって追加されたようです(全文が見たかったのだけど、ワタシには見つけられず)。

3.3.1 — Applications may only use Documented APIs in the manner prescribed by Apple and must not use or call any private APIs. Applications must be originally written in Objective-C, C, C++, or JavaScript as executed by the iPhone OS WebKit engine, and only code written in C, C++, and Objective-C may compile and directly link against the Documented APIs (e.g., Applications that link to Documented APIs through an intermediary translation or compatibility layer or tool are prohibited). (抄訳)アプリケーションは、あらかじめAppleが指定したAPIだけを使わなくてはならず、プライベートAPIは使えない。アプリケーションは、Objective-C,C,C++か、WebKit上のJavascriptのいずれかで記述される必要があり、Objective-C,C,C++のコードはAppleが指定したAPIと「直接」リンクしなければならない(つまり、中間層やツールを経由したAPIとのリンクは禁止)。

 要するにミドルウェア層の排除を謳っているわけで、事実上Xcode直書き以外使うな、と言っているような状態になっています。  端的にはAdobe CS5での「Packager for iPhone」機能潰しな訳ですが、たとえばUnity iPhoneのようなゲーム向けミドルウェアも該当するんじゃないかと思います。Unityにしても、突然のことで、せっかくよかれと思って行った投資がパアですね。Adobeはまあ、ある程度予想していたかもしれませんが。  こういうことが続くと、どうしてもプラットフォームというものに対する投資は、ちょっと抑制的にならざるを得なくなるので、中長期的にはiPhoneのエコシステムの拡大抑制というものに繋がっていくように思います。チャイナリスクみたいなもんでね。

 Microsoft Windowsがシェアを伸ばして、その一方でMac OSが危機的な状況に陥っていったのは、90年代後半で、まだ15年と経過していないわけですが、もしかするとその再演がなされるのではないかという、かすかな危惧を抱いていたりするのです。あの失敗からJobsが学んでいればいいのですが、どうやら微妙な感じがしてきたので、やっぱりXperia買おうかなあ(いちユーザだって、やっぱりそのプラットフォームに賭けることには違いないので)。