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「いつか記憶からこぼれおちるとしても」(江國香織/朝日新聞社)


"いつか記憶からこぼれおちるとしても" (江國 香織)

 いってみれば着想はベタといえばベタなのであって、このテの小説は書くひとの作風というか個性というのが濃厚に滲み出てくるネタなのだけど、ささっと小品として「冷蔵庫に残ってた材料で作ってみました」感が漂ってしまうのはどういうことだろう(笑) いや、つまらない、とかいう意味ではなくて。神様のボートみたいな前日からスープ仕込みました的な濃厚なお味がワタシの趣味なだけかもしれないけれど。  それはそれでベッドにもぐりこんで読んで、ちょっとだけ幸せな気分になってから眠るにはいい本かな、と。ああワタシにもこんな時間が流れているときがあったのね、あれ、なかったか。