blue-brewery.net

ビールとテクノロジーと、あと何か。

眼鏡を作る

 ここ半年ぐらいだっけ、眼鏡の値段がとんでもなく暴落してきたのは。1本5000円、とか言われてしまうと、それって既製品の老眼鏡の値段じゃないでしょうね、なんて思わず疑いたくなってしまう。中国製品が莫迦みたいな値段で市場を急速に席巻しているのだとか。ああ、日本もいつか通った道。  そういうことなので、一本作りにいくことにしてしまったりする。

 さすがに値段が値段なので、それほど魅力的なデザインのものはなかったりする。適当にデザインの無難そうなものを選んで、早速ということで視力をはかってもらう(「今の眼鏡とおんなじ度数にしておきますか」と聞かれたけれど、さすがにそれは眼鏡屋として怠慢ではないかと思ったりもするけど、とりあえず口には出さない)。  普通に店員さんの簡単な検査(まあ、30秒も掛からなかったかな)を受けたのちに「もうちょっと検査が必要ですね、先生に見てもらいましょう」なんて言われて別室に連れて行かれる。なにか、あんまり普通じゃない状態らしい。

 別室で10分ほど「右です」「に、へ、ら、わかりません」などと問答を繰り返す。で、言われたのが「そうですね、左目使ってないですね」。

 はい、ワタクシ、いちおう目はふたつありますが。  そりゃまあ、将来的にお金がなくなったら腎臓はひとつになるかもしれませんけど。

 「右目の検査をしたときの結果と、両目での視力とが同じなんですよ。ごく稀にいるんですが。ふだん両目で見ているつもりなんですけど、視神経は右目からの情報しか脳に伝達していなくて、右目だけ酷使しているわけです。ふつうは6:4ぐらいで利き目(というのが一応あるそうだ)を使うんですけど、それが極端に偏ってますね。9:1ぐらいに」

 なんとまあ、ワタシの左目っては、ろくに働いていなかったのだ。これでギャラが同じだったら染之助染太郎と同じではないか。なんと勿体ない。  「だからといって、日常生活で困ることは何もないんですけどね」ということらしいのだが。

 というわけで、世の女性諸姉は、ワタシが右目でウィンクしたからといって、勘違いせずに「ああ、こいつは左目にも給料分の働きをさせようとしているのだな」と、納得をして頂きたいのであります、はい。  …逆に、左目の場合は、ええ、まあ、そういうことで。