夕焼け

 ワタシがこれまで住んできたアパートは、ぜんぶ西向きだった。べつに西向きにこだわりがあるわけじゃなくて、京都の時は、街の東外れに住んでいたからだった。あの街は盆地だから、街の東外れに住もうとすると、どうしても西窓でないと、マトモな景観は得られないのだった。

 でもって、関東平野に自分のマンションを借りるようになったイマも、相変わらず西向きの部屋に居を構えている。こちらは特に理由はなくて、単に南向きの部屋は道路に面していてうるさそうだな、というだけ。ウチの前の道路は、高速道路から一般道への抜け道になっているので、狭いながらも交通量が多い。
 西向きの部屋は、だんだんこの時期ぐらいから、暑苦しくなってくる。午前中はともかくも、午後から夕方に掛けて、室内は灼熱の様相を呈してくる。洗濯ものの乾きがいいのが幸いだけれど。

 西日の射す日曜日、マンションの谷間に沈む夕日を見ていると、夏が来たのだなと思う。今年は、どこの夕日を見に行こうか。アタマの中の地球儀をぐるぐる回して、妄想は浮かべども、そもそも今年は夏休みがとれるのかどうか、現実を思い出して溜息。