law

判例六法Professionalを買った

「ゆうひかく六法」アラカルト: 『有斐閣判例六法Professional』創刊!

 というわけで、購入しました。
 パラパラとめくっただけなので、所収判例云々といった中身には言及できませんが、とりあえず従来の小六法と比較して気になったところを。

1.やっぱり二色刷は見やすい
 多少どころではなく分厚くなりましたが、判例付きはやっぱり便利です。二色刷の色合いも派手すぎずいい感じです。
 判例といえば、さりげなく「不公正な取引方法」にも判例がついているのは助かる(他社のはどうだったっけ?)。「失火ノ責任ニ関スル法律」にわざわざ判例を付する必要があるかどうかは疑問だけど(笑)

2,ソフトカバーはやっぱり使いにくい
 分冊化されたことで一冊が薄くなったこととも相俟って、机の上で立ちません(笑) あと、表紙がヤワなので、一年後に買い換えるまでに表紙がボロボロになってはしまわないかというのも不安です。

3.紐(スピン)がなくなった
 新潮文庫についているような栞代わりの紐です。あれがなくなりました。実際問題として結構活用していたので、今般の変更点のなかでも最大の問題点といえるでしょう。あの紐だけでも復活してくれないかなあ。

ホワイトカラー・エグゼンプション

「家庭だんらん法」に言い換え指示=「残業代ゼロ法」で舛添厚労相 (jiji.com)

 舛添要一厚生労働相は11日の閣議後記者会見で、一部事務職を割増賃金の支払い対象から外す「日本版ホワイトカラー・エグゼンプション制度(WE)」について、「名前を『家庭だんらん法』にしろと言ってある」と言い換えを指示したことを明らかにした。その上で、「残業代が出なければ、早く帰る動機付けになる」と評価、働き方の改革の一環として取り組む考えを示した。(後略)

 ああブルータスおまえもか、と言いたくなってしまうのはワタシだけでしょうか。

 WEの本来の導入趣旨は、勤務の体系が多様化しつつあるホワイトカラー労働者に対して、その能力・成果に比例した報酬を提供する給与体系を導入するために、(勤務時間の拘束を排除して)従来型の労働拘束時間に比例した給与体系を廃するものであったと記憶しております。それに対する反対論は、労働の強化に繋がるというものが多数であったと思います。「残業代が出なければ、早く帰る動機付けになる」という論は、WEの導入の本旨ではなかったはずです(この論を推し進めるならば、ホワイトカラーに限られない全労働者に対して残業代を支給すべきではないということになります)。

 上述のようなことはさんざん言われ尽くされているところであり、今更ではあるのですが、今回、何が気に掛かるかというと、聡明なる舛添大臣が上述のようなことに気づいていないはずもないわけで… 要は、制度の本来の趣旨を、大臣自らも信じていないような名前に変更することで、どうこうしようという態度が気にくわないのであります(ワタシ自身は、WEには必ずしも反対ではありませんので)。

 ていうかさ、そもそもワタシのような独身者は眼中にないのかねえ…

著作権の保護期間延長について

著作権の保護期間延長問題、権利者側への反論相次ぐ——文化審:ITpro (itpro.nikkeibp.co.jp)
小委員会の議事録は、まだ公開されていないようです。
(9/30追記:議事録出ました。なかなかおもしろいっす)

「谷崎潤一郎、江戸川乱歩、横山大観などはあと数年で保護期間が切れる。彼らの遺族が受け取る著作権使用料は、それぞれ年間100万円を超える額だ。これらが突然切れるのはショッキングなこと。遺族の権利を守りたいし、それが作家のインセンティブ向上をもたらす」
「安定的な職業に就く人には退職金もあるし、株式や土地を買うこともでき一定の財産を残せる。一方で創作者は、生前にそうした財産を残すことはできず、ただ創作物を遺族に遺すだけだ。安定的な職業の人と差があって良いのか」

 …なんつうか、もうね。
 著作権が、著作者の死語一定期間にわたって保護される、そもそもの理由は、遺族の生活を保護するためなんだったっけ? なんか拭いきれない違和感が。

著作権法 第一条
この法律は、著作物並びに実演、レコード、放送及び有線放送に関し著作者の権利及びこれに隣接する権利を定め、これらの文化的所産の公正な利用に留意しつつ、著作者等の権利の保護を図り、もつて文化の発展に寄与することを目的とする。

判例六法Professional

 六法ネタは、あまり深く突っ込んでいってもアレなのだけど、ワタシにとっては調べ物をしたり暇潰ししたり会議中に馬鹿な奴を張り倒したりするのに(嘘)必需品なので。

「ゆうひかく六法」アラカルト: 本文2色刷,2分冊

 以前に取り上げた判例六法Professionalの件ですが、なんと2分冊になってしまったとのこと。
 …「利便性と携帯性も考慮して」とのことですが、正直、微妙(どっちの分冊にどの法令が収録されているかどうか、直感的に把握できるものでもない)。既存の小六法の法令数を確保しつつ、さらに判例を追加するとなると、ページ数が増えるのは当然ではありますが(なんと500ページ程度増らしい)、なんとか分冊せずにいられなかったものか。もっとも、製本上の理由といわれると、返す言葉もありませんが。
 まあこれも、有斐閣のせいじゃなくて、くだらない法律が増えたせいということだから仕方ありません、健康増進法とか健康増進法とか健康増進法とか。

 あと、さりげなく上製(ハードカバー)から並製(ソフトカバー)になっているのも、うーん。ハードカバーの方が使いやすいと思うのですがね(これは個人的趣味だから、少数派なのかもしれないが)。六法って、本棚に並べて(飾って)おくものじゃなくて、一秒でも早く参照できるよう、机上のブックスタンドとかに挟んで立てておくものだから(もちろんケースになんか入れておかない)、表紙がしっかりしているほうが利便性は高いです(実は、模範六法が嫌いなのも、この点が大きかったりする)。ここだけはなんとかしてほしかった。

 あと、ウリのほうの2色刷ですが、これは現物見てみないと、なんとも言い難いので。まあ、悪い話ではありませんが、これのせいで用紙の厚さが増して2分冊に、とかいうのなら、来年度からはご勘弁を願いたく。

 …やっぱり、小六法、復活してもらえないものでしょうか。

小六法

 三連休を見計らったかのように台風襲来で。

有斐閣 『小六法』休刊のお知らせ

 子供の頃に自宅にあった六法が有斐閣のものだったせいか、昔から六法といえば有斐閣という微妙なブランド信仰(笑)があって、小六法を毎年愛用していたのですが、なくなるのはちょっと寂しい(周囲は模範六法派が大多数なので、話題になっていないのもちょっと寂しい)。

 20年度からは「判例六法Professional」なる名前になるようですが(そのうち判例六法Home Premiumとか判例六法Ultimateとか登場しそうな名前で…)、判例収録されるのは嬉しいものの、収録法令数が減るようだとちょっと使いづらくなるので、少々分厚くなってでも、収録法令数は確保していただきたい… あと、(抄)ってのも、できれば勘弁を(抄録だと結局全文確認のために法令データ提供システムに当たらないといけないので、あんまり意味がない)。

MYUTA判決

著作権侵害差止請求権不存在確認請求事件 平成19年05月25日[PDF]

 判決文が公開されたので、今更ながらではあるが読んでみる。経緯はこちら
 …自動公衆送信って、こういうことだったっけ? なんか、判断するレイヤーを1段階間違えているような気がするんだけど。
 こちらとかこちらでも疑問が呈されているようで、そりゃそうだわなあ。

 今回問題になっているMYUTAなるサービスは、自分のPCから専用ソフトでmp3なんかを携帯電話用音楽フォーマットに変換、専用サーバストレージにアップロードし、自分の携帯電話でダウンロードするというもの。要するに、手持ちのCDを着うたにできるわけですな。レーベルモバイルなんかにとっては、確かに困るでしょうなあ。

 で、争点は、(1)誰が複製(サーバストレージへのアップロード)をしているのか(ユーザが私的利用のための複製をしているのか、MYUTAが行っているのか)、(2)携帯電話でのダウンロードが自動公衆送信に該当するのか(サービスのユーザは「公衆」なのか)、ということなんですが、とくに気になるのは(2)のほう。
 確かに著作権法の「公衆」概念は、明確に割り切れないところもあって、悩ましいんですが、今回のように携帯電話のサブスクライバIDまで使ってダウンロード先を識別しており、アップロードした音楽を、複数の携帯電話でダウンロードすることはできないにもかかわらず「送信の主体が原告(注:MYUTA)であり、受信するのが不特定の者であることに変わりはない」(判決文からの引用)というのはねえ… そりゃ、サーバってのは、同時に複数の処理を行いますし、物理的には複数人にデータを送信しておりますが、自動公衆送信って、そういうことを言うんじゃないと思っていましたが。

 判決文には、MYUTAのシステムの仕組みが相当に詳しく書き込まれておりますが、かなり気を遣って作られたシステムであると思います。この内容で、自分が実務上、こういうサービスを開始したいんだが法的に問題あるか、と相談されたとしたら、それなりに悩みつつも、OKを出してしまいそうなサービス内容ではあります。その結果として、開発費用を投じてシステムを開発したにもかかわらず、(下級審とはいえ)NGを食らってしまうとなると、実務としては相当に消極的に判断しないと怖いです(カイシャにとって裁判に掛かるコストって、カネが掛かるというよりも、現場のヒトが拘束されるほうが大きいんですよね…)。上級審での判断がなされることを望むしかないです。

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Microsoft vs KFTC

裁定次第では「韓国からWindows引き上げ」(slashdot.jp)

 若干古いニュースではあるのだが、何となくここ数日気になっていたので。
 KFTCといっても、Kentucky Fried Chicken Committeeではない… Korea Fair Trade Commission。

 日本の公正取引委員会もMSに喧嘩を売ったりしている[pdf]し、最近ではGoogleにケチをつけたり[pdf]と、なかなかの活躍(単に目立ちたいだけという説もある)をしてたりしますが、こちらは欧州でも問題になったOS本体とアプリケーションとのバンドルについて。

 今回韓国で問題になっているのはWindows Messengerなんですが、これって、完全に無償のものなんですね。Windows Media Playerとの違いは、Media Playerの場合は、市場シェアが大きくなると、配信事業者向けのサーバソフトウェアが売れることになるんですが、Messengerはそうでもないこと。確かに、Live Communications Serverというのはあるんですが、これはイントラネット内でのIM制御のためのソフトウェアなので、家庭ユーザがWindows Messengerを使用するには関係なかったはず。
 となると、独占の対象となる市場は果たして何か、ということになるんですが、法人向けIMサーバソフトウェア市場って、そもそも、元来そんなに競争的な市場なんでしょうか。調べてないので断言はできないんですが、なんかどうも、しっくりこない気が。申立したのもインターネットポータルを運営している会社だそうなので、個人向けIMを念頭に置いているような気がしてならない… 同じく無償ソフトウェアであったInternet Explorerのときは、米司法省とは和解だったし、Netscape Communicationsとも負けていなかった記憶が。
(ま、韓国語の原文に当たっていないので、推測まじりなのは勘弁を)

 で、ここまではいいとして、韓国公正取引委員会に対するMicrosoftの回答が冒頭の発言なんですが、ここまで(なかば恫喝的な)思い切ったことを言うのは何が理由なんでしょうね。欧州市場と違って韓国市場なんてそんなに大きくないし、マルチバイト文字のサポートも面倒だからいい潮時だと思っているのか。冒頭の発言を書面で述べたということは、自分の行動をコミットしてしまったので、これでMSに不利な審決が下されて、それでいて韓国市場から撤退なりのアクションをとらなかったとしたら、それはそれで狼少年化してしまうことになり、こういう物言いは決して得策ではないはず。それゆえに気になってしまうのですね。やっぱり、けっこう本気で撤退したがっているのか、それとも作戦なのか。MSのお手並み拝見と参りましょう。

平成電電

平成電電が民事再生法の適用へ (slashdot)

 電気通信業界的にも、あちゃちゃ、という感じですね。アナログ網を足回りに使ってるところとか、とくにキャリア系以外のISPで、昔ながらのダイアルアップ接続なんかを数年前に全国統一番号にしたところなんかは、平成電電の設備を使っているところもあるはずなんで(たとえばこんなのとか)、今頃、各ISPの担当者は戦々恐々としているかもしれません。
 やっぱりNCC各社が直収サービスをはじめてしまったんで、体力の劣る平成電電では将来の見込みが見えなくなってしまったんですかねえ。電気通信業界は設備産業なんで、とにかく初期に資金を投入して設備を設置して、それで設備が陳腐化しないうちに日銭を稼いでナンボですから。

 民事再生なんで、当面事業は継続されるようですが、再生の見込みなしとなったときは、ちょっと大騒ぎかも。

 しかし気になるのは平成電電匿名組合がこれからどうなるのか。たしかに異常に利回りの良いことを言って結構な金額を集めていたはずなんだけど… 投資は自己責任で。

南セントレア(2)

 撤回されたようで、まずはめでたいことです。
 行政法の議論では、「決定」を「撤回」するというのがどういうことかというのは興味あるところではあるけれど、今日はもう眠いから考えない(笑) 法定協議会は行政庁ではないと思うので、行政手続法とかは参考にならなさそうなのだけど、と、考えていくと、色々面白そうなのだが(単に勉強不足なだけか)。

南セントレア

 町長一世一代のギャグか?

 合併新市名は「南セントレア」 愛知・美浜町と南知多町法定協議会のページ

 …日本も終わりだなあ。でも、「南」ってことは、常滑も追随するつもりか?
 南アルプス市も大概だとは思ったけれど、ここまで強烈なものはないんではないか。「ご出身は?」「南セントレアです」… サウスカロライナじゃないんだから。だいたい日本人と思われないぞ、その説明じゃ。かようないわれなき差別を惹起しかねない名称は、日本国憲法第14条に定める法の下の平等の観点からも問題なしとしないと愚考するものであります(嘘)。

 うえに引用した中日新聞のニュースでは、当のセントレア(中部国際空港株式会社)は、とりあえず肯定的なコメントしかしていないけれど、別のソースではかなり戸惑いもあるようで(そりゃそうだ)。

 とはいえ、まだ合併協議会での決定らしいので、いくらでも覆す方法はあるのだが。合併にあたっては各町村議会の議決を経て、さらに都道府県議会の議決を経て、総務大臣に届出をして、それから総務大臣が告示をしてはじめて廃置分合の効力は発生するので、どこかの地点で様々な方法でストップは可能(調べて逐一書こうかと思ったけれどあまりにも面倒なので略。町長のリコールが手っ取り早いような…)。

 知多半島の皆様におかれては日本古来の美風の保持のため努力願われたい(笑)