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武雄市図書館がTSUTAYAになる件

 ゴールデンウィークぐらいなにか更新してもいいだろうということで、微妙な琴線に触れたネタを。なお、先に言っておくと、本稿には結論はありません。

武雄市とカルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社の武雄市立図書館の企画・運営に関する提携基本合意について

 一部の筋の方を、ほげえええ、と唸らせる逸品になっております。ワタシも、近所の公立図書館には非常にお世話になっておりますので、それなりに気になるところではあります。

 図書館を指定管理者制度を使って民間に丸投げするというのは、別に目新しい話ではなくて、その分野のトップである図書館流通センターなんかはこんなにいっぱいやっていたりします。これはこれで地域の知識集積拠点であるべき図書館が画一化されて地域固有のニーズがくみ取れなかったりとか、蔵書が指定管理者側の裁量に委ねられがちとか、地域図書館の専門家たる司書の時給安くね? これでまっとうなリファレンス業務回る? とかいう問題はあったりしますが、どこの自治体も金がないご時世でありますから、まあ仕方ない面もあります。みんな貧乏が悪いんや。
 今回は、このTRCの牙城に、CCCがチャレンジしたという構図になります。TSUTAYAの店舗展開にも限界というモノがありますから、隣接業務に進出しようというのは、これはこれで企業戦略としては、まあ、正しいのでしょう。先行する、というか独走するTRCとの差別化のため、代官山 蔦屋書店のノウハウを生かす、というのも、あるだろうと思います(まあ雑誌販売とかまでする必要あるのかとは思うけど。民業圧迫じゃね?)。

 ただ、ひとつ発表のなかで問題になりそうなのが。

8.Tカード、Tポイントの導入

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元社長の差押

堀江元社長びっくり、留守中に強制執行 家財差し押さえ (asahi.com)

 ライブドア株で損した莫迦(自分の投資先に関する眼力のなさを他人のせいにするのはどう考えてもまっとうではないので、あえてこう言う)が堀江元社長から損害賠償金をふんだくった件で、こんなことになりました。一審判決に仮執行宣言がついていたんだろうとは思いますが、だからって本当にやるのはどんなものだろう。たぶん、トータルでは、コストのほうが掛かってるんじゃなかろうかと思いますが(そのへんが見境のない莫迦だ)。

代理人弁護士によると原告らは「堀江氏のマスコミ出演が増え苦々しく感じる。被害者が忘れ去られている」と話しているという。

 「被害者」も何も、控訴審でやりあってるところじゃありませんでしたっけ。マスコミへの出演を云々するのも言論活動を抑圧するのに繋がりませんか。頭に血が上った莫迦が口走ったならともかく、代理人弁護士はもう少し発言に気を遣った方がいいのでは。
 それに、差押は、金銭賠償が得られない場合に強制的に金銭賠償を獲得するための手段であって、被害者が溜飲を下げるための手段などでは決してないはず。苦々しいから差押、ってのはただの私的報復。自宅に対して掛けるのもどう考えても感情的なものにしか見えない(確実にやるならば、預金口座だったり不動産だったり債権だったりを押さえるべきであって、自宅の動産に対してというのは心理的圧迫を狙ったものでしかない)。ということで、堀江くんの責任云々とは関係なく、この差押はやるべきではなかったのでは。

 …やっぱり莫迦はどこまでも莫迦なのかね。

機長の権限

 あまりにも更新がないので、Twitterを要約して貼るようにしてみました。たぶん週一回程度。で、たまにはなんか書かなならんだろうということで、こちら。

体調不良のスカイマークCA、社長一声「交代ならぬ」 (asahi.com)

 前なんとかさんのいる国土交通省的な大本営発表はこちら[pdf]。
 読んでておそろしく違和感があったのは、たかだか一便の運行にまで会長やら社長やらが口を挟んでんのかこのカイシャは、というところ。そんな家内制手工業な運行体制なんでしょうか? それだったらそれはそれですごいような(暇なのか? 暇なんだろうな)。しかるべきところにしかるべき権限の委譲がなされていないと、いざ会長やら社長やら不在のときにとんでもないことになりそうなんで、リスクマネジメントの観点からは、早々に改めないと、また似たようなことが起きてしまうんじゃなかろうかと思います。

 ちなみに、機長の権限というのは、けっこう強いもので、たとえば航空法では、

第七十三条  機長(機長に事故があるときは、機長に代わつてその職務を行なうべきものとされている者。以下同じ。)は、当該航空機に乗り組んでその職務を行う者を指揮監督する。
第七十三条の二  機長は、国土交通省令で定めるところにより、航空機が航行に支障がないことその他運航に必要な準備が整つていることを確認した後でなければ、航空機を出発させてはならない

だったり、果てには、

第七十三条の四  機長は、航空機内にある者が、離陸のため当該航空機のすべての乗降口が閉ざされた時から着陸の後降機のためこれらの乗降口のうちいずれかが開かれる時までに、安全阻害行為等をし、又はしようとしていると信ずるに足りる相当な理由があるときは、当該航空機の安全の保持、当該航空機内にあるその者以外の者若しくは財産の保護又は当該航空機内の秩序若しくは規律の維持のために必要な限度で、その者に対し拘束その他安全阻害行為等を抑止するための措置(第五項の規定による命令を除く。)をとり、又はその者を降機させることができる。

とかだったり、まあ要は機内における専制君主な訳で、機長がNoと言えば飛行機は飛ばないわけです。だから、機長の判断というものは相当な程度尊重されるのが普通だったかと記憶しております。

 最終的には機長を交代して飛ばしたわけですが、ローテーションというものだってあるわけでして、よほどやむを得ない事情でもない限り、ふつうはそういうことしないものだと思うんですが、ていうか、ふつう、風邪のCAぐらい休ませてあげなさいよ、考えるものだと思うんですが。
 よほど、このCAを乗務させなきゃならないような特段の事情があったんじゃないかと推察されるんですが(そしてその事情こそが、このインシデントの根本原因の一つなんでしょうが)、何なんでしょうな。謎。

Google中国から撤収

 ずっとTwitterでぼそぼそ呟いていたら、こちらの更新がまったくなされなんだ。

Official Google Blog: A new approach to China (googleblog.blogspot.com)

“we will carefully monitor conditions in China, including new laws and other restrictions on our services. If we determine that we are unable to achieve the objectives outlined we will not hesitate to reconsider our approach to China.”

 というわけで、ついにGoogleの堪忍袋の緒が切れたようです。冷静に全文を読むと、前半と後半で若干の飛躍があるのは秘密。さすがに「犯人はおまえだ!」とは叫べなかったようです。
 個人的にはここでキレて撤収するよりも、しぶとく残り続けて少しでもフラットな情報の流通の重要性を知らしめ続けた方が、Googleの目指す方向には近いようにも思うのですが、どうなんてしょうか(実は、単純に利益が出ないという理由だったりすると寂しいものがありますが)。

台風18号

 台風18号のせいで通勤にいつもの4倍ぐらい時間がかかったりする今日この頃。JR線に運転抑止がかかってしまったので、営団地下鉄(今は違うか)に乗り換えようとしたら入場制限。仕方がないので、大幅に遠回りになるのを覚悟で、大江戸線やら西武新宿線やらを駆使してなんとか到達。出勤した時点で体力を使い切ってしまったので、本日はまったく労働意欲なし。しかし、何があっても動じない京急ですら、品川駅のJR乗換口のシャッターを閉めてしまうとは相当なもんです(京急広報の「風は運転に影響しなかった」ってコメント、我らがKQのイカレっぷりをみごとにあらわしているのが素晴らしい)。

Winny開発者、逆転無罪 二審・大阪高裁 (itmedia.co.jp)

 判決要旨はこちら。
 …なんつうか、すごく、まっとうな気がするのですが。「幇助」の語義から考えてもそうだよな。

 以下、例によってバンコク旅行の写真。
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毎日新聞訴訟口頭弁論

 おおお、本当に訴えてたのか。知らんかった。

毎日新聞の「低俗」報道訴訟、9月に神戸地裁で口頭弁論 (watch.impress.co.jp)

 訴状を読んだうえで冷静に考えると原告に勝ち目があるとは到底思われませんが、まあ、がんばってください(棒読)
 ていうかさ、全国津々浦々で提起されたら面倒臭くてしょうがないよねえ>毎日新聞。あんま他人事でもないんだけど。

mixi規約改定についての若干の老婆心的見解

mixiが規約変更予定、日記の無断出版が可能に (slashdot.jp)
mixi規約改定の意図説明「日記を無断使用することはない」 (impress.co.jp)

第18条 日記等の情報の使用許諾等

  1. 本サービスを利用して、ユーザーが日記等の情報を投稿する場合には、ユーザーは弊社に対して、当該日記等の情報を日本の国内外において無償かつ非独占的に使用する権利(複製、上映、公衆送信、展示、頒布、翻訳、改変等を行うこと)を許諾するものとします。
  2. ユーザーは、弊社に対して 著作者人格権を行使しないものとします。

 というわけで、さっそく問題になっておりますが、まあ問題にもなります。mixiのアカウントは持っていないので、全文にあたることができないのがもどかしいですが、スラッシュドットの題名の通り、この条項を使えば無断出版も何も思いのまま。事実上のフリーハンドを与える条項となっています。とくに2項の人格権不行使特約がいやらしいですねえ。しかもなぜか遡及効もついているらしいし(条理上、効力を生じ得る条項であるかどうかはさておくとして)。そうか、同一性保持もしてくれないんだ…

 インプレスの記事によると、とりあえず釈明はしているようですが、なんともな。百万単位のコミュニティの規約にしては… という感がぬぐえません。
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大量保有報告書

大量保有報告書の提出に関する調査について[pdf] (fsa.go.jp)

 20兆円あるならもうちょっとマシな株買えよ、というのが第一印象。
 さすがにこの情報で株価が動くとも思えないので、いったい何のためにこんなことをしたのかが全く読めないというのが不気味。EDINETの問題点を、体を張ってネタ気味に告発したかっただけなんだろうか。にしては冒すリスクが高すぎるし。

 EDINET自体が金融庁ノーチェックでアップロードされることの当否ってのもあるんだろうけど、結構な量があるものをいちいち金融庁の役人の目で事実かどうか確認しながらアップロードするのでは、とても適時の情報提供にはならんだろうし、そもそも金融庁がチェックできる性質のものではないというのもあるので、たぶん制度自体はこのままで、明らかに虚偽とされるものについては今回のように調査を行うというのが制度設計としては妥当なところなんでしょうねえ。

草思社が民事再生法適用を申請

草思社が民事再生法適用を申請、負債額22億5千万円 : 文化 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

最盛期の97年10月期には約32億円の売り上げがあったが、この数年、ヒット作に恵まれず昨年同期の売り上げは約14億円に半減。本社不動産を売却し、広告費を削減するなど合理化策を進めてきたが、自力再建を断念した。

 草思社は文庫も新書も雑誌も出していなかったので、単行本の当たりがしばらく途切れると急激に資金繰りが厳しくなったんでしょう。たしかにここしばらく草思社のヒットを聞いていなかったような。ヒット本を当てるのは金鉱を掘り当てるようなものですから、事業のポートフォリオとしては単行本一本にしてしまうのは、かなりリスキーと言わざるを得ないんでしょう。
 まあでも、民事再生ですから、どこかがスポンサーにつくような気もしつつ。人材を買うようなものですから(もっとも出版業界の人材の流動性がどの程度なのかよく知らないけれど)。

 あー、でも「大国の興亡」も草思社なのか。いずれ読みたいとは思っていたのだが、版元がなくなってしまうとなると、とりあえず店頭在庫をさっさと買ってしまったほうがいいのかな。


“決定版 大国の興亡―1500年から2000年までの経済の変遷と軍事闘争〈上巻〉” (ポール ケネディ)

プロバイダによるコンテンツ削除措置

 こういう話を聞くと凄く嫌な気分になるので愚痴半分に。

違法かどうか明確でなくてもサイト開設者に閲覧制限措置を義務付け(罰則付)? (slashdot.jp)

検討中の法案では、サイト開設者やプロバイダーは違法情報を発見し次第、削除しなくてはならないと規定。違法かどうか明確でなくとも、有害な恐れがある場合は児童が閲覧できなくなるような措置を講じるよう義務付ける。罰則を設けることも視野に入れる。
http://www.nikkei.co.jp/news/main/20080104AT3S2400H03012008.html

 こんなもんが通ってしまったらプロバイダ各社は民事・刑事責任を逃れるために相当に厳格な(過度な)運用を行なうことが目に見えておりますので(現在のプロバイダー責任制限法の実運用をみてみると、免責が得られていることから、権利侵害の存在に有無についてかなり消極に解する例がみられますので… ていうか、プロバイダにしてみればそうせざるを得ないんだが)、ちょっとでもアヤシいコンテンツについてはバシバシ刈り取っていくことになるでしょう。すげえ手間。プロバイダは正義の味方でも何でもないのに、なんでそんなことしなきゃならんのだ。Google AdSenseなんかで得られる利益と、削除に要する手間とを考えると、下手すると無料ブログなんてのは商売にならないんじゃないかしら(特定の語彙が含まれているコンテンツを見つけたら即刻削除するフィルターを咬ませってか? 使い物になるかい、そんなサービス)。
 しかも、何が「違法情報」なのかってのは、事例によっては司法機関でも相当に判断に迷うんじゃないかと思うのに、その判断を一民間企業のプロバイダに行なわせるっつうのは、すげえ辛いのでやめてください。泣きそうなんだから。インターネット上の違法な情報への対応に関するガイドライン[pdf]だって、結局は民間団体のいち主張にすぎないし。

 あと、「有害な恐れがある場合は児童が閲覧できなくなるような措置を講じるよう義務付ける」って、技術的にはどうやれば実現できるんでしょうか。PCの前に座っているのが児童かどうか、どうやって判別するんだろう。

 …という程度の前提知識ぐらいは当然あって、これらの諸問題を解決するぐらいの策は勿論あるんでしょうな?>立案者